and u -1
「ひゃんっ・・・あっ・・・」
久谷の指があたしの蕾をはじいた。もうあたしはそれだけで昇りつめてしまいそうだった。でも久谷はその行為を執拗に続ける。
「いやぁっ・・・だめっ・・・あぁぁぁぁ!だめぇっ!」
かさっ・・・わずかにビニールを破る音が聞こえる。もう逆らえない。だってあたしの体はこんなにも期待して震えてるから。
くちゅ・・・
「すげぇとろとろ」
くすりと目の前の久谷が笑いながらあたしのナカをえぐる。
「やぁ・・あぁん!あぁぁ・・・せんせ,やっ,あぁぁんんっ!!」
久谷がどんどん奥におしつけてくる。もうそれだけでまた達してしまいそうで,ぎゅっとしがみついた。
エッチのときも,こんな笑い方するんだ,なんて場違いなことをちょっと考えた。
・・・キモチイイ・・・
久谷の手があたしの胸をなでた。下半身の激しい律動とはちがう,じらすような緩慢な動き。
「はぁ!・・センセ・・・もっと,あぁぁん!やぁっ,あっ!!」
不意にあたしの胸の突起に快感がはしる。
「あああぁぁぁっ・・・!!」
同時にあたしの意識はブラック・アウトした。
正確には,ホワイト・アウト,かな・・・。
目がさめたとき,あたしは元通りキチンと制服を着て,油くさい美術準備室のソファーに寝てた。足の間のひんやりとした気持ち悪さがあの行為が現実だったことを主張してる。
「旭?目,覚めたか?」
ぼんやりとしていると,突然久谷があらわれた。やっぱり口の端を少しだけあげたあの笑いをうかべて。
久谷先生はあたしの高校の美術教師だ。すらっとした体に整った顔立ちで,恵まれた容姿なのは誰もが認めるんだけど,細いフレームのメガネに近寄りがたい寡黙な雰囲気を漂わせて,必要以上に生徒と関わらない彼は,あたしたちからはちょっと遠い存在だった。隠れファン,みたいなのはいるみたいだけど。
あたしはといえば,この中堅私立女子校に幼稚園から通い続けた,この学校ではありふれた高校生。世間的にはお嬢様って呼ぶ人もいるけど,お父さんはただの銀行員。稼ぎはそりゃ中よりは上かもしれないけど,フツーの家だし,3人兄妹だし,親の見栄と努力でここまでお嬢さん学園に通ってこれたんだ。美術部なわけでも,興味があるわけでもない,イマドキのフツーな高校生。
そんなあたしたちがこんな関係になったのは,あたしが3ヶ月前に提出の遅れた美術の課題をもっていったときがハジマリだった。
美術準備室は西向きの部屋で,放課後のその部屋は真っ赤に染められてた。窓の横のデスクには久谷が画集を枕にうたた寝してた。ノックしても返事のない部屋に黙って入っちゃったものの,どう起こせばいいか困ってたうちに気づいちゃったんだ・・・。メガネをはずした久谷のカオ。西日に輪郭を彩られた,キレイなカオ。カオに添えられたキレイな指先。広い肩。・・・カラダ。カオ・・・カラダ・・・眩暈がした。
こんなこと初めてだった。久谷の寝姿全身から漂う色香に完全に中てられてしまった・・・あぁ・・・ヤバイかもしれない。
何がヤバイかなんてわかんなかった。でも,ココロの奥の,今まで知らなかった部分がぎゅってにぎられたような,そんな。
センセ?あれは罠?甘く美しすぎる・・・そして何よりもせつなすぎる・・・
久谷の指があたしの蕾をはじいた。もうあたしはそれだけで昇りつめてしまいそうだった。でも久谷はその行為を執拗に続ける。
「いやぁっ・・・だめっ・・・あぁぁぁぁ!だめぇっ!」
かさっ・・・わずかにビニールを破る音が聞こえる。もう逆らえない。だってあたしの体はこんなにも期待して震えてるから。
くちゅ・・・
「すげぇとろとろ」
くすりと目の前の久谷が笑いながらあたしのナカをえぐる。
「やぁ・・あぁん!あぁぁ・・・せんせ,やっ,あぁぁんんっ!!」
久谷がどんどん奥におしつけてくる。もうそれだけでまた達してしまいそうで,ぎゅっとしがみついた。
エッチのときも,こんな笑い方するんだ,なんて場違いなことをちょっと考えた。
・・・キモチイイ・・・
久谷の手があたしの胸をなでた。下半身の激しい律動とはちがう,じらすような緩慢な動き。
「はぁ!・・センセ・・・もっと,あぁぁん!やぁっ,あっ!!」
不意にあたしの胸の突起に快感がはしる。
「あああぁぁぁっ・・・!!」
同時にあたしの意識はブラック・アウトした。
正確には,ホワイト・アウト,かな・・・。
目がさめたとき,あたしは元通りキチンと制服を着て,油くさい美術準備室のソファーに寝てた。足の間のひんやりとした気持ち悪さがあの行為が現実だったことを主張してる。
「旭?目,覚めたか?」
ぼんやりとしていると,突然久谷があらわれた。やっぱり口の端を少しだけあげたあの笑いをうかべて。
久谷先生はあたしの高校の美術教師だ。すらっとした体に整った顔立ちで,恵まれた容姿なのは誰もが認めるんだけど,細いフレームのメガネに近寄りがたい寡黙な雰囲気を漂わせて,必要以上に生徒と関わらない彼は,あたしたちからはちょっと遠い存在だった。隠れファン,みたいなのはいるみたいだけど。
あたしはといえば,この中堅私立女子校に幼稚園から通い続けた,この学校ではありふれた高校生。世間的にはお嬢様って呼ぶ人もいるけど,お父さんはただの銀行員。稼ぎはそりゃ中よりは上かもしれないけど,フツーの家だし,3人兄妹だし,親の見栄と努力でここまでお嬢さん学園に通ってこれたんだ。美術部なわけでも,興味があるわけでもない,イマドキのフツーな高校生。
そんなあたしたちがこんな関係になったのは,あたしが3ヶ月前に提出の遅れた美術の課題をもっていったときがハジマリだった。
美術準備室は西向きの部屋で,放課後のその部屋は真っ赤に染められてた。窓の横のデスクには久谷が画集を枕にうたた寝してた。ノックしても返事のない部屋に黙って入っちゃったものの,どう起こせばいいか困ってたうちに気づいちゃったんだ・・・。メガネをはずした久谷のカオ。西日に輪郭を彩られた,キレイなカオ。カオに添えられたキレイな指先。広い肩。・・・カラダ。カオ・・・カラダ・・・眩暈がした。
こんなこと初めてだった。久谷の寝姿全身から漂う色香に完全に中てられてしまった・・・あぁ・・・ヤバイかもしれない。
何がヤバイかなんてわかんなかった。でも,ココロの奥の,今まで知らなかった部分がぎゅってにぎられたような,そんな。
センセ?あれは罠?甘く美しすぎる・・・そして何よりもせつなすぎる・・・
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and u -2
「・・・なに?」
思わずそのきれいな肌に触れてしまった瞬間,久谷は目を閉じたままそう言った。驚きすぎてあたしは凍りついた。
クスッ・・・
目を閉じたまま久谷が笑った。
「最近の高校生は大胆だね・・・まさかこんなところで生徒に襲われるなんて考えてもみなかったよ・・・アサヒさん?」
「・・っ!!襲うなんて!!そっそんなこと・・・」
「そう」
「そうですっ!」
「ふふっ・・・そんなに俺の頬は気持ちいいんだ?もっと触らせてやろうか?」
そこまで言われてやっと凍りついたあたしの左手がいまだに先生の頬の上におかれてたことに気づいた。あわてて手を引っ込めようとするのと,久谷が目を開いてあたしの腕をつかむのはほぼ同時だった。
「っ・・・」
そのまま抱き寄せられて・・・キスされた。
意味がわからない。
どうして?どうして久谷があたしにキスするの??
あぁ・・・そんなことよりも,なんでキスがこんなに上手なの??
あたしはそんなキス,知らなかった。経験がない訳じゃない。キスだってその先だって。豊富じゃないけど・・・。
これが大人なんだって妙に感心。
うんん,違う,ホントはすごくドキドキしてる。
「えっ・・・?センセッ・・・やっ・・・」
不意に久谷のキレイな手があたしの胸元を探り出す。
「もっと触りたいんでしょ・・・俺のこと。アサヒさん。それとももしかして初めて?」
そこまで聞いてもうあたしは完全に動転してた。だって普段の久谷はそんなこと言うなんて到底考えられない雰囲気だったから。おもわずふるふると首を振った。それは・・・それはこれからの行為への『同意』に他ならない。動転して首を振った・・・?そうかもしれない。そうだとしても,違うとしても,やっぱり・・・やっぱりあたしは目の前の久谷に触れたかった。どうしようもなく,久谷を知りたいと思った。久谷も,久谷のカラダも。
「素直だね・・・」
そう言って久谷はあたしを抱き上げて,ソファーに運んだ。久谷のにおいが・・・体温が,ますますあたしを熱くした。
久谷はもう一度,目を合わせて薄く笑ってキスをした。
そのキスは首筋に落ち,耳に落ち,右手でうなじをなでながら,舌をあたしのセーラー服の胸元まで這わせた。左手はキャミの中でおなかをさすっていたけれど,きづくとブラの上からやさしく胸をさすっていた。
「やぁっ・・・せんせ・・・んっ・・・」
口で口がふさがれるのと同時にブラを押し上げた久谷の手が直接胸の蕾をさわる。それまでとは比べ物にならない刺激にあたしの体は跳ねた。
「ひゃぁ・・あぁぁ!」
ちゅ・・・くちゅ・・・
いつのまにかセーラーごと上にたくしあげ,久谷の舌はあたしの胸を舐めながら,その指先は次のターゲットを目指してた。
あたしはといえば...久谷の与える刺激に翻弄されるしかなかった。
それくらい,きもちよかったから。
久谷の与える刺激だけじゃない,久谷の肌,におい,体温,すべてが。
思わずそのきれいな肌に触れてしまった瞬間,久谷は目を閉じたままそう言った。驚きすぎてあたしは凍りついた。
クスッ・・・
目を閉じたまま久谷が笑った。
「最近の高校生は大胆だね・・・まさかこんなところで生徒に襲われるなんて考えてもみなかったよ・・・アサヒさん?」
「・・っ!!襲うなんて!!そっそんなこと・・・」
「そう」
「そうですっ!」
「ふふっ・・・そんなに俺の頬は気持ちいいんだ?もっと触らせてやろうか?」
そこまで言われてやっと凍りついたあたしの左手がいまだに先生の頬の上におかれてたことに気づいた。あわてて手を引っ込めようとするのと,久谷が目を開いてあたしの腕をつかむのはほぼ同時だった。
「っ・・・」
そのまま抱き寄せられて・・・キスされた。
意味がわからない。
どうして?どうして久谷があたしにキスするの??
あぁ・・・そんなことよりも,なんでキスがこんなに上手なの??
あたしはそんなキス,知らなかった。経験がない訳じゃない。キスだってその先だって。豊富じゃないけど・・・。
これが大人なんだって妙に感心。
うんん,違う,ホントはすごくドキドキしてる。
「えっ・・・?センセッ・・・やっ・・・」
不意に久谷のキレイな手があたしの胸元を探り出す。
「もっと触りたいんでしょ・・・俺のこと。アサヒさん。それとももしかして初めて?」
そこまで聞いてもうあたしは完全に動転してた。だって普段の久谷はそんなこと言うなんて到底考えられない雰囲気だったから。おもわずふるふると首を振った。それは・・・それはこれからの行為への『同意』に他ならない。動転して首を振った・・・?そうかもしれない。そうだとしても,違うとしても,やっぱり・・・やっぱりあたしは目の前の久谷に触れたかった。どうしようもなく,久谷を知りたいと思った。久谷も,久谷のカラダも。
「素直だね・・・」
そう言って久谷はあたしを抱き上げて,ソファーに運んだ。久谷のにおいが・・・体温が,ますますあたしを熱くした。
久谷はもう一度,目を合わせて薄く笑ってキスをした。
そのキスは首筋に落ち,耳に落ち,右手でうなじをなでながら,舌をあたしのセーラー服の胸元まで這わせた。左手はキャミの中でおなかをさすっていたけれど,きづくとブラの上からやさしく胸をさすっていた。
「やぁっ・・・せんせ・・・んっ・・・」
口で口がふさがれるのと同時にブラを押し上げた久谷の手が直接胸の蕾をさわる。それまでとは比べ物にならない刺激にあたしの体は跳ねた。
「ひゃぁ・・あぁぁ!」
ちゅ・・・くちゅ・・・
いつのまにかセーラーごと上にたくしあげ,久谷の舌はあたしの胸を舐めながら,その指先は次のターゲットを目指してた。
あたしはといえば...久谷の与える刺激に翻弄されるしかなかった。
それくらい,きもちよかったから。
久谷の与える刺激だけじゃない,久谷の肌,におい,体温,すべてが。
and u -3
久谷の指が下着の上からあたしのソコに触れた。それはもう下着としての役割なんてぜんぜん果たしてなくて,それだけで直接触られているような感覚がした。
「やぁっ・・・んんっ・・・はぁん!あっ・・!」
下着をおろされて直接,蕾をさぐられる。
「せんせい・・・もうっ・・・・・!」
「ん?いいよ・・・イッて・・・」
そういいながら指があたしの中にすべりこむ。
そのまま激しくかき回されて,すぐに一番敏感な場所を見つけてこする。くちゃくちゃっていう音とあたしの息遣いがまざって,でも久谷のカオはどこか冷ややかで・・・・
「はぁぁぁん!!!あぁぁ・・・いくぅ・・・あぁぁぁぁっ!!」
バクハツした。
スッと久谷はカラダを離して,デスクに向かった。
「・・・センセ・・・?」
「なに?」
「・・・しないの?」
「したいの?」
そこまで言うとフッと微笑んで,あたしに近づいた。
「俺の,奴隷になる?」
・・・・どういうイミ?
理解できなくて呆然としてると,久谷はさらに続ける。
「旭がしたいなら,するけど,したくないならしないよ。」
「奴隷?」
「そう,これからさき,俺を満たすための奴隷。一度だけのお試しってのはナシだ。」
「・・・あたしと,これからもエッチしたいってこと?」
「旭と,っていうわけじゃないな。」
「意味がぜんぜんわからないよ!」
「そう,じゃぁとりあえず帰って考えるんだな。」
悔しかった。
そして何かを期待して,ドキドキしながら久谷の愛撫で達した自分がすごく恥ずかしくなって,あわてて乱れた制服をなおした。
「・・・先生が生徒にこんなことしていいわけ?」
「よくないだろうな。言いたければ言えばいいよ,どこにでも。とりあえずこの課題はもらっておくよ。・・・・うん,なかなかよく描けてる。旭の作品はいつも明るい色彩だ。」
「わけわかんないよ!いきなり教師面しないでよっ!!サイッテー!」
そのままあたしの風景画を見てる久谷を残してあたしはかばんをつかんで準備室を出た。
家に帰って,シャワーをあびて,ベッドにもぐりこんでもあたしの頭の中は久谷のことでいっぱいだった。
久谷にレイプされたの?
・・・レイプじゃない・・・
じゃぁ同意の上・・・・?
久谷の顔を思い出す。
・・・・カラダがアツイ。
「んっ・・・はぁん・・・」
自然とあたしの指は下着の中に入り込んでた。
そこは自分が知らないくらい濡れていて,蕾が主張を始めていた。
「あっ・・うぅん・・・あぁ!」
隣の部屋のお姉ちゃんに聞こえないだろうか?
そんなことを思いながら,その夜あたしは初めて一人でイッた。
「やぁっ・・・んんっ・・・はぁん!あっ・・!」
下着をおろされて直接,蕾をさぐられる。
「せんせい・・・もうっ・・・・・!」
「ん?いいよ・・・イッて・・・」
そういいながら指があたしの中にすべりこむ。
そのまま激しくかき回されて,すぐに一番敏感な場所を見つけてこする。くちゃくちゃっていう音とあたしの息遣いがまざって,でも久谷のカオはどこか冷ややかで・・・・
「はぁぁぁん!!!あぁぁ・・・いくぅ・・・あぁぁぁぁっ!!」
バクハツした。
スッと久谷はカラダを離して,デスクに向かった。
「・・・センセ・・・?」
「なに?」
「・・・しないの?」
「したいの?」
そこまで言うとフッと微笑んで,あたしに近づいた。
「俺の,奴隷になる?」
・・・・どういうイミ?
理解できなくて呆然としてると,久谷はさらに続ける。
「旭がしたいなら,するけど,したくないならしないよ。」
「奴隷?」
「そう,これからさき,俺を満たすための奴隷。一度だけのお試しってのはナシだ。」
「・・・あたしと,これからもエッチしたいってこと?」
「旭と,っていうわけじゃないな。」
「意味がぜんぜんわからないよ!」
「そう,じゃぁとりあえず帰って考えるんだな。」
悔しかった。
そして何かを期待して,ドキドキしながら久谷の愛撫で達した自分がすごく恥ずかしくなって,あわてて乱れた制服をなおした。
「・・・先生が生徒にこんなことしていいわけ?」
「よくないだろうな。言いたければ言えばいいよ,どこにでも。とりあえずこの課題はもらっておくよ。・・・・うん,なかなかよく描けてる。旭の作品はいつも明るい色彩だ。」
「わけわかんないよ!いきなり教師面しないでよっ!!サイッテー!」
そのままあたしの風景画を見てる久谷を残してあたしはかばんをつかんで準備室を出た。
家に帰って,シャワーをあびて,ベッドにもぐりこんでもあたしの頭の中は久谷のことでいっぱいだった。
久谷にレイプされたの?
・・・レイプじゃない・・・
じゃぁ同意の上・・・・?
久谷の顔を思い出す。
・・・・カラダがアツイ。
「んっ・・・はぁん・・・」
自然とあたしの指は下着の中に入り込んでた。
そこは自分が知らないくらい濡れていて,蕾が主張を始めていた。
「あっ・・うぅん・・・あぁ!」
隣の部屋のお姉ちゃんに聞こえないだろうか?
そんなことを思いながら,その夜あたしは初めて一人でイッた。
and u -4
翌朝、もう全身がなんだかだるかった。昨日はそのまま疲れて寝付いちゃったけど、目が覚めると一気に昨日のことが現実的な問題として押し寄せてくる。
「なづ、おはよー」
正門を過ぎたあたりでアヤに声をかけられる。アヤ・・・霧島 亜矢は幼稚園時代からの仲良しで、まぁそーゆー友達はこの学園の場合めずらしくないんだけど、彼女はれっきとした『お嬢様』だ。霧島財閥の令嬢・・・だけど本人にはそんな気取ったところがぜんぜんなくて、ご両親もけっこう普通の感覚を持ち合わせてる人たちで、あたしみたいなフツーの家庭の子とあんまり変わりがない、付き合いやすい友達。
「なづな、昨日の美術課題はまにあったのー?久谷怒ってた?」
「えっ・・・怒ってない・・・と思う・・・」
「あははっ!!たしかに、久谷が怒るとかありえないよね!怒っても笑ってもあの冷たい顔で『はい』とか言って受け取っちゃう感じするもんねー。あの男には表情や感情がないのかしらねぇ。」
「う・・・うん」
表情や感情がない・・・?
あたしもそう思ってた。思ってたけど。
アヤはそこまでしゃべってあたしがおかしいことに気づいたらしい。
「なづな?どした?元気なくない??」
「え・・・やっ、そんなことないよ!元気元気!ちょっと考え事しててさー。そうだ、それより今日、ガッコ終わったら買い物いこーよ。狙ってるキャミあるんだぁ」
「考え事って・・・なづはたまにぼけっとしてるからなぁ・・・。よし、じゃぁ買い物いこう!!」
一瞬、アヤに昨日のことを全部話しちゃおうかと思った。・・・でもなんて?久谷におそわれて「奴隷にならないか」って言われた、って?どうしよう、って?・・・『どうしよう』???どうしようって、どんな選択肢があるっていうの?
・・・奴隷になるか、ならないか?
あはは・・・・
あたしは・・・自分がおかしくなったんじゃないかとマジで思った。
迷うまでもない、無視だ、ムシ!なかったことにしよ・・・だって奴隷ってなによ。しかも奴隷じゃなくったって、教師よ?教師じゃなくったって、あの久谷だよ?うん、ありえない!・・・ありえない。
「なづー・・・百面相」
「へっ・・・?」
アヤが苦笑いしてた。あたしもね、苦笑いだよ、自分に。
それから4日ほどは、平和だった。
たまに久谷のことも思い出したけど、夢のような気もしてきて。そもそも美術室っていうのはあまり人通りのない芸術棟(中高生の芸術の授業は同じ別棟で受けるのだ)の廊下の一番奥にあって、授業じゃなきゃ行く人なんてめったにいない。久谷は高等部で担任をもってるわけでもないから高校棟で会うこともない。てか、中高とおして久谷が担任やったなんて聞いたことないけど。
でもね、あたりまえだけど、美術の授業は毎週やってくる。
美術の授業の朝。
あたしの心臓はもう壊れてしまうかっていうくらいばくばくしてた。
「なづ、顔色わるいよ?」
その日何人目かのつっこみに笑顔でこたえながら、美術室で久谷の登場を待ってた。
ガラッ・・・
久谷だ。
一瞬目があう。誰もきづかないくらいだったけど、うすく笑った・・・ように見えた。
そのあと、簡単な説明と連絡を聞いていつもどおり課題製作にそれぞれとりかかる。久谷は怒らないから、みんな近くの子とおしゃべりしながらの騒がしい作業だ。久谷は黙って巡回しながら、たまにここはこの色のほうが、とか、この構図は、なんてアドバイスをする。
「旭、ここはもっと明るい方がいい」
あたしへのアドバイス。
「・・・はい」
ねぇ・・・どうしてドキドキするんだろう。
あんなにひどいこと言われたのに。
どうして久谷はそんなに余裕なの?
どうしてあたしはこんなに切ないんだろう。
去り際、久谷の指先が作品の上のあたしの指をかすめていく。
意志をもった動きだってことは、あたしにもわかった。
「欲求不満な顔」
アヤがあたしに言った言葉だ。
鋭い。もし本当に顔にココロが書いてあるなら。
あたしの顔には
「ヨッキュウフマン」
そう書いてあるのだろう。
「クタニ ガ ホシイ」
とも。
「なづ、おはよー」
正門を過ぎたあたりでアヤに声をかけられる。アヤ・・・霧島 亜矢は幼稚園時代からの仲良しで、まぁそーゆー友達はこの学園の場合めずらしくないんだけど、彼女はれっきとした『お嬢様』だ。霧島財閥の令嬢・・・だけど本人にはそんな気取ったところがぜんぜんなくて、ご両親もけっこう普通の感覚を持ち合わせてる人たちで、あたしみたいなフツーの家庭の子とあんまり変わりがない、付き合いやすい友達。
「なづな、昨日の美術課題はまにあったのー?久谷怒ってた?」
「えっ・・・怒ってない・・・と思う・・・」
「あははっ!!たしかに、久谷が怒るとかありえないよね!怒っても笑ってもあの冷たい顔で『はい』とか言って受け取っちゃう感じするもんねー。あの男には表情や感情がないのかしらねぇ。」
「う・・・うん」
表情や感情がない・・・?
あたしもそう思ってた。思ってたけど。
アヤはそこまでしゃべってあたしがおかしいことに気づいたらしい。
「なづな?どした?元気なくない??」
「え・・・やっ、そんなことないよ!元気元気!ちょっと考え事しててさー。そうだ、それより今日、ガッコ終わったら買い物いこーよ。狙ってるキャミあるんだぁ」
「考え事って・・・なづはたまにぼけっとしてるからなぁ・・・。よし、じゃぁ買い物いこう!!」
一瞬、アヤに昨日のことを全部話しちゃおうかと思った。・・・でもなんて?久谷におそわれて「奴隷にならないか」って言われた、って?どうしよう、って?・・・『どうしよう』???どうしようって、どんな選択肢があるっていうの?
・・・奴隷になるか、ならないか?
あはは・・・・
あたしは・・・自分がおかしくなったんじゃないかとマジで思った。
迷うまでもない、無視だ、ムシ!なかったことにしよ・・・だって奴隷ってなによ。しかも奴隷じゃなくったって、教師よ?教師じゃなくったって、あの久谷だよ?うん、ありえない!・・・ありえない。
「なづー・・・百面相」
「へっ・・・?」
アヤが苦笑いしてた。あたしもね、苦笑いだよ、自分に。
それから4日ほどは、平和だった。
たまに久谷のことも思い出したけど、夢のような気もしてきて。そもそも美術室っていうのはあまり人通りのない芸術棟(中高生の芸術の授業は同じ別棟で受けるのだ)の廊下の一番奥にあって、授業じゃなきゃ行く人なんてめったにいない。久谷は高等部で担任をもってるわけでもないから高校棟で会うこともない。てか、中高とおして久谷が担任やったなんて聞いたことないけど。
でもね、あたりまえだけど、美術の授業は毎週やってくる。
美術の授業の朝。
あたしの心臓はもう壊れてしまうかっていうくらいばくばくしてた。
「なづ、顔色わるいよ?」
その日何人目かのつっこみに笑顔でこたえながら、美術室で久谷の登場を待ってた。
ガラッ・・・
久谷だ。
一瞬目があう。誰もきづかないくらいだったけど、うすく笑った・・・ように見えた。
そのあと、簡単な説明と連絡を聞いていつもどおり課題製作にそれぞれとりかかる。久谷は怒らないから、みんな近くの子とおしゃべりしながらの騒がしい作業だ。久谷は黙って巡回しながら、たまにここはこの色のほうが、とか、この構図は、なんてアドバイスをする。
「旭、ここはもっと明るい方がいい」
あたしへのアドバイス。
「・・・はい」
ねぇ・・・どうしてドキドキするんだろう。
あんなにひどいこと言われたのに。
どうして久谷はそんなに余裕なの?
どうしてあたしはこんなに切ないんだろう。
去り際、久谷の指先が作品の上のあたしの指をかすめていく。
意志をもった動きだってことは、あたしにもわかった。
「欲求不満な顔」
アヤがあたしに言った言葉だ。
鋭い。もし本当に顔にココロが書いてあるなら。
あたしの顔には
「ヨッキュウフマン」
そう書いてあるのだろう。
「クタニ ガ ホシイ」
とも。
and u -5
女の子にも,ちゃんと性欲があるってことをあたしは身をもって学ばされていた。・・・それほどにあたしは自分の体を持て余してた。
これがただの性欲なのか,恋なのかは計りかねていたけど。
ただの性欲かといえば,やっぱり『久谷と』繋がりたいと強く思う。
じゃぁ恋なのかといえば,あたしの知っているそれとは違う。
とにかく久谷とエッチがしたい・・・。
そんなあたしには久谷が週に1度の授業であたしに与える微妙な刺激は,十分すぎた。指先がかすめればその指で愛撫された感触を思い出したし,名前を呼ばれればあの美術準備室の光景がフラッシュバックした。
あたしの『理性の糸』がプチッと音を立てて切れたのはそれからひと月たったころ。
その日はたまたま帰るのが遅くなって,アヤとミーヤと3人で足早に正門に向かっていた。何気なく正門脇の芸術棟に目をやると,2階の一番奥の部屋に明かりが灯っているのが目に入った。・・・美術室だ。
「なづ?どうした?」
はたと足をとめたあたしにミーヤが問いかける。
「あっ・・・ご,ごめん,先に帰ってて。ちょっと忘れ物あった。」
「えー?いいよ,一緒に戻ろうよぉ~」
ミーヤの言葉にアヤもうんうんとうなずく。
「悪いから,・・・うん,ほら,教室じゃなくて,部室なんだ。遠いし。・・・ね!」
あたしは不自然じゃないだろうか?
ちゃんと笑えてる?
「部室じゃぁなおさら・・・もう薄暗いしさぁ。ねぇ,アヤ?」
アヤはしばらく,「うーん」って考えてみせて,
「わかった,まぁじゃぁ先に帰ってるね。あたし用事あるんだったわ。なづ,気をつけて帰るんだよ?じゃーねー。・・・ミーヤ!」
「えー・・・アヤ,薄情・・・」
「いいのいいの,気にしないで!ホントごめん。また明日ね!」
ミーヤが動き出すよりも早く,あたしは反対方向にダッシュした。
・・・芸術棟の入り口はこっちじゃないけど,とりあえず怪しまれない場所まで。
・・・久谷が帰ってしまわないか,これから自分が何をしようとしているのか。
全速力で走ったための動悸なんてかき消されるくらい,あたしの胸は高鳴っていた。
久谷はまだ美術室にいた。
ドアに手をかけた瞬間,一瞬だけ,どうすればいいのか迷いが頭をよぎったけど,勢いあまった体を制止するだけの理性はもはや消滅していた。
ガラッ・・・
キャンバスに向かっていた久谷は静かに振り向いて,くすりと笑い
「やっと,来た」
そう言った。
「・・・教えてほしいことがあるんです」
「何?」
「あたし,あの日から・・・先生のことが,先生のしたことが忘れられない・・・。でも,奴隷なんてありえないって思うのに・・・・。好きとか,そんな甘い気持ちでもなくて・・・えっとっ・・」
「俺とセックスがしたい?」
言葉でごまかそうとしても,ごまかしながら伝えようとしても,恥ずかしいって気持ちも,そんなのはすべて見透かされているの?
あまりにストレートな表現に,あたしは,それはまさにあたしの言いたかったことのはずなのに,思わず久谷から目をそらしてしまった。
「体はあんなに素直だったのに,今日はこんな簡単な質問にも答えないの?・・・俺の返事はかわらないよ,旭がしたいならする,したくないならしない。君にとってこれ以上の返事がある?君のしたいようになるんだ。」
「奴隷って・・・言ったじゃん・・・」
「じゃあ,表現を変えようか。きっと否が応でも旭は奴隷になるよ,俺とセックスしたら。いや・・・もう,手遅れかもな」
スッとめがねをはずし,散らかった作業台の上においた。
その目・・・顔・・・,反則だ。全部計算づくなの?
久谷の言葉は,そのまま聞けばすごく自信家だし,ナルシストだし,傲慢だ。でもこの状況で,あたしには甘い甘いささやきに聞こえていた。
「どうするかは,旭が決めるんだ」
「先生と・・・・したい・・・・・・」
これがただの性欲なのか,恋なのかは計りかねていたけど。
ただの性欲かといえば,やっぱり『久谷と』繋がりたいと強く思う。
じゃぁ恋なのかといえば,あたしの知っているそれとは違う。
とにかく久谷とエッチがしたい・・・。
そんなあたしには久谷が週に1度の授業であたしに与える微妙な刺激は,十分すぎた。指先がかすめればその指で愛撫された感触を思い出したし,名前を呼ばれればあの美術準備室の光景がフラッシュバックした。
あたしの『理性の糸』がプチッと音を立てて切れたのはそれからひと月たったころ。
その日はたまたま帰るのが遅くなって,アヤとミーヤと3人で足早に正門に向かっていた。何気なく正門脇の芸術棟に目をやると,2階の一番奥の部屋に明かりが灯っているのが目に入った。・・・美術室だ。
「なづ?どうした?」
はたと足をとめたあたしにミーヤが問いかける。
「あっ・・・ご,ごめん,先に帰ってて。ちょっと忘れ物あった。」
「えー?いいよ,一緒に戻ろうよぉ~」
ミーヤの言葉にアヤもうんうんとうなずく。
「悪いから,・・・うん,ほら,教室じゃなくて,部室なんだ。遠いし。・・・ね!」
あたしは不自然じゃないだろうか?
ちゃんと笑えてる?
「部室じゃぁなおさら・・・もう薄暗いしさぁ。ねぇ,アヤ?」
アヤはしばらく,「うーん」って考えてみせて,
「わかった,まぁじゃぁ先に帰ってるね。あたし用事あるんだったわ。なづ,気をつけて帰るんだよ?じゃーねー。・・・ミーヤ!」
「えー・・・アヤ,薄情・・・」
「いいのいいの,気にしないで!ホントごめん。また明日ね!」
ミーヤが動き出すよりも早く,あたしは反対方向にダッシュした。
・・・芸術棟の入り口はこっちじゃないけど,とりあえず怪しまれない場所まで。
・・・久谷が帰ってしまわないか,これから自分が何をしようとしているのか。
全速力で走ったための動悸なんてかき消されるくらい,あたしの胸は高鳴っていた。
久谷はまだ美術室にいた。
ドアに手をかけた瞬間,一瞬だけ,どうすればいいのか迷いが頭をよぎったけど,勢いあまった体を制止するだけの理性はもはや消滅していた。
ガラッ・・・
キャンバスに向かっていた久谷は静かに振り向いて,くすりと笑い
「やっと,来た」
そう言った。
「・・・教えてほしいことがあるんです」
「何?」
「あたし,あの日から・・・先生のことが,先生のしたことが忘れられない・・・。でも,奴隷なんてありえないって思うのに・・・・。好きとか,そんな甘い気持ちでもなくて・・・えっとっ・・」
「俺とセックスがしたい?」
言葉でごまかそうとしても,ごまかしながら伝えようとしても,恥ずかしいって気持ちも,そんなのはすべて見透かされているの?
あまりにストレートな表現に,あたしは,それはまさにあたしの言いたかったことのはずなのに,思わず久谷から目をそらしてしまった。
「体はあんなに素直だったのに,今日はこんな簡単な質問にも答えないの?・・・俺の返事はかわらないよ,旭がしたいならする,したくないならしない。君にとってこれ以上の返事がある?君のしたいようになるんだ。」
「奴隷って・・・言ったじゃん・・・」
「じゃあ,表現を変えようか。きっと否が応でも旭は奴隷になるよ,俺とセックスしたら。いや・・・もう,手遅れかもな」
スッとめがねをはずし,散らかった作業台の上においた。
その目・・・顔・・・,反則だ。全部計算づくなの?
久谷の言葉は,そのまま聞けばすごく自信家だし,ナルシストだし,傲慢だ。でもこの状況で,あたしには甘い甘いささやきに聞こえていた。
「どうするかは,旭が決めるんだ」
「先生と・・・・したい・・・・・・」