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女の子にも,ちゃんと性欲があるってことをあたしは身をもって学ばされていた。・・・それほどにあたしは自分の体を持て余してた。

これがただの性欲なのか,恋なのかは計りかねていたけど。

ただの性欲かといえば,やっぱり『久谷と』繋がりたいと強く思う。

じゃぁ恋なのかといえば,あたしの知っているそれとは違う。

とにかく久谷とエッチがしたい・・・。

そんなあたしには久谷が週に1度の授業であたしに与える微妙な刺激は,十分すぎた。指先がかすめればその指で愛撫された感触を思い出したし,名前を呼ばれればあの美術準備室の光景がフラッシュバックした。

あたしの『理性の糸』がプチッと音を立てて切れたのはそれからひと月たったころ。

その日はたまたま帰るのが遅くなって,アヤとミーヤと3人で足早に正門に向かっていた。何気なく正門脇の芸術棟に目をやると,2階の一番奥の部屋に明かりが灯っているのが目に入った。・・・美術室だ。

「なづ?どうした?」
はたと足をとめたあたしにミーヤが問いかける。
「あっ・・・ご,ごめん,先に帰ってて。ちょっと忘れ物あった。」
「えー?いいよ,一緒に戻ろうよぉ~」
ミーヤの言葉にアヤもうんうんとうなずく。
「悪いから,・・・うん,ほら,教室じゃなくて,部室なんだ。遠いし。・・・ね!」

あたしは不自然じゃないだろうか?
ちゃんと笑えてる?

「部室じゃぁなおさら・・・もう薄暗いしさぁ。ねぇ,アヤ?」
アヤはしばらく,「うーん」って考えてみせて,
「わかった,まぁじゃぁ先に帰ってるね。あたし用事あるんだったわ。なづ,気をつけて帰るんだよ?じゃーねー。・・・ミーヤ!」
「えー・・・アヤ,薄情・・・」
「いいのいいの,気にしないで!ホントごめん。また明日ね!」

ミーヤが動き出すよりも早く,あたしは反対方向にダッシュした。
・・・芸術棟の入り口はこっちじゃないけど,とりあえず怪しまれない場所まで。

・・・久谷が帰ってしまわないか,これから自分が何をしようとしているのか。

全速力で走ったための動悸なんてかき消されるくらい,あたしの胸は高鳴っていた。


久谷はまだ美術室にいた。
ドアに手をかけた瞬間,一瞬だけ,どうすればいいのか迷いが頭をよぎったけど,勢いあまった体を制止するだけの理性はもはや消滅していた。

ガラッ・・・

キャンバスに向かっていた久谷は静かに振り向いて,くすりと笑い

「やっと,来た」

そう言った。

「・・・教えてほしいことがあるんです」
「何?」
「あたし,あの日から・・・先生のことが,先生のしたことが忘れられない・・・。でも,奴隷なんてありえないって思うのに・・・・。好きとか,そんな甘い気持ちでもなくて・・・えっとっ・・」
「俺とセックスがしたい?」

言葉でごまかそうとしても,ごまかしながら伝えようとしても,恥ずかしいって気持ちも,そんなのはすべて見透かされているの?

あまりにストレートな表現に,あたしは,それはまさにあたしの言いたかったことのはずなのに,思わず久谷から目をそらしてしまった。

「体はあんなに素直だったのに,今日はこんな簡単な質問にも答えないの?・・・俺の返事はかわらないよ,旭がしたいならする,したくないならしない。君にとってこれ以上の返事がある?君のしたいようになるんだ。」
「奴隷って・・・言ったじゃん・・・」
「じゃあ,表現を変えようか。きっと否が応でも旭は奴隷になるよ,俺とセックスしたら。いや・・・もう,手遅れかもな」

スッとめがねをはずし,散らかった作業台の上においた。
その目・・・顔・・・,反則だ。全部計算づくなの?
久谷の言葉は,そのまま聞けばすごく自信家だし,ナルシストだし,傲慢だ。でもこの状況で,あたしには甘い甘いささやきに聞こえていた。

「どうするかは,旭が決めるんだ」

「先生と・・・・したい・・・・・・」
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