and u -4
翌朝、もう全身がなんだかだるかった。昨日はそのまま疲れて寝付いちゃったけど、目が覚めると一気に昨日のことが現実的な問題として押し寄せてくる。
「なづ、おはよー」
正門を過ぎたあたりでアヤに声をかけられる。アヤ・・・霧島 亜矢は幼稚園時代からの仲良しで、まぁそーゆー友達はこの学園の場合めずらしくないんだけど、彼女はれっきとした『お嬢様』だ。霧島財閥の令嬢・・・だけど本人にはそんな気取ったところがぜんぜんなくて、ご両親もけっこう普通の感覚を持ち合わせてる人たちで、あたしみたいなフツーの家庭の子とあんまり変わりがない、付き合いやすい友達。
「なづな、昨日の美術課題はまにあったのー?久谷怒ってた?」
「えっ・・・怒ってない・・・と思う・・・」
「あははっ!!たしかに、久谷が怒るとかありえないよね!怒っても笑ってもあの冷たい顔で『はい』とか言って受け取っちゃう感じするもんねー。あの男には表情や感情がないのかしらねぇ。」
「う・・・うん」
表情や感情がない・・・?
あたしもそう思ってた。思ってたけど。
アヤはそこまでしゃべってあたしがおかしいことに気づいたらしい。
「なづな?どした?元気なくない??」
「え・・・やっ、そんなことないよ!元気元気!ちょっと考え事しててさー。そうだ、それより今日、ガッコ終わったら買い物いこーよ。狙ってるキャミあるんだぁ」
「考え事って・・・なづはたまにぼけっとしてるからなぁ・・・。よし、じゃぁ買い物いこう!!」
一瞬、アヤに昨日のことを全部話しちゃおうかと思った。・・・でもなんて?久谷におそわれて「奴隷にならないか」って言われた、って?どうしよう、って?・・・『どうしよう』???どうしようって、どんな選択肢があるっていうの?
・・・奴隷になるか、ならないか?
あはは・・・・
あたしは・・・自分がおかしくなったんじゃないかとマジで思った。
迷うまでもない、無視だ、ムシ!なかったことにしよ・・・だって奴隷ってなによ。しかも奴隷じゃなくったって、教師よ?教師じゃなくったって、あの久谷だよ?うん、ありえない!・・・ありえない。
「なづー・・・百面相」
「へっ・・・?」
アヤが苦笑いしてた。あたしもね、苦笑いだよ、自分に。
それから4日ほどは、平和だった。
たまに久谷のことも思い出したけど、夢のような気もしてきて。そもそも美術室っていうのはあまり人通りのない芸術棟(中高生の芸術の授業は同じ別棟で受けるのだ)の廊下の一番奥にあって、授業じゃなきゃ行く人なんてめったにいない。久谷は高等部で担任をもってるわけでもないから高校棟で会うこともない。てか、中高とおして久谷が担任やったなんて聞いたことないけど。
でもね、あたりまえだけど、美術の授業は毎週やってくる。
美術の授業の朝。
あたしの心臓はもう壊れてしまうかっていうくらいばくばくしてた。
「なづ、顔色わるいよ?」
その日何人目かのつっこみに笑顔でこたえながら、美術室で久谷の登場を待ってた。
ガラッ・・・
久谷だ。
一瞬目があう。誰もきづかないくらいだったけど、うすく笑った・・・ように見えた。
そのあと、簡単な説明と連絡を聞いていつもどおり課題製作にそれぞれとりかかる。久谷は怒らないから、みんな近くの子とおしゃべりしながらの騒がしい作業だ。久谷は黙って巡回しながら、たまにここはこの色のほうが、とか、この構図は、なんてアドバイスをする。
「旭、ここはもっと明るい方がいい」
あたしへのアドバイス。
「・・・はい」
ねぇ・・・どうしてドキドキするんだろう。
あんなにひどいこと言われたのに。
どうして久谷はそんなに余裕なの?
どうしてあたしはこんなに切ないんだろう。
去り際、久谷の指先が作品の上のあたしの指をかすめていく。
意志をもった動きだってことは、あたしにもわかった。
「欲求不満な顔」
アヤがあたしに言った言葉だ。
鋭い。もし本当に顔にココロが書いてあるなら。
あたしの顔には
「ヨッキュウフマン」
そう書いてあるのだろう。
「クタニ ガ ホシイ」
とも。
「なづ、おはよー」
正門を過ぎたあたりでアヤに声をかけられる。アヤ・・・霧島 亜矢は幼稚園時代からの仲良しで、まぁそーゆー友達はこの学園の場合めずらしくないんだけど、彼女はれっきとした『お嬢様』だ。霧島財閥の令嬢・・・だけど本人にはそんな気取ったところがぜんぜんなくて、ご両親もけっこう普通の感覚を持ち合わせてる人たちで、あたしみたいなフツーの家庭の子とあんまり変わりがない、付き合いやすい友達。
「なづな、昨日の美術課題はまにあったのー?久谷怒ってた?」
「えっ・・・怒ってない・・・と思う・・・」
「あははっ!!たしかに、久谷が怒るとかありえないよね!怒っても笑ってもあの冷たい顔で『はい』とか言って受け取っちゃう感じするもんねー。あの男には表情や感情がないのかしらねぇ。」
「う・・・うん」
表情や感情がない・・・?
あたしもそう思ってた。思ってたけど。
アヤはそこまでしゃべってあたしがおかしいことに気づいたらしい。
「なづな?どした?元気なくない??」
「え・・・やっ、そんなことないよ!元気元気!ちょっと考え事しててさー。そうだ、それより今日、ガッコ終わったら買い物いこーよ。狙ってるキャミあるんだぁ」
「考え事って・・・なづはたまにぼけっとしてるからなぁ・・・。よし、じゃぁ買い物いこう!!」
一瞬、アヤに昨日のことを全部話しちゃおうかと思った。・・・でもなんて?久谷におそわれて「奴隷にならないか」って言われた、って?どうしよう、って?・・・『どうしよう』???どうしようって、どんな選択肢があるっていうの?
・・・奴隷になるか、ならないか?
あはは・・・・
あたしは・・・自分がおかしくなったんじゃないかとマジで思った。
迷うまでもない、無視だ、ムシ!なかったことにしよ・・・だって奴隷ってなによ。しかも奴隷じゃなくったって、教師よ?教師じゃなくったって、あの久谷だよ?うん、ありえない!・・・ありえない。
「なづー・・・百面相」
「へっ・・・?」
アヤが苦笑いしてた。あたしもね、苦笑いだよ、自分に。
それから4日ほどは、平和だった。
たまに久谷のことも思い出したけど、夢のような気もしてきて。そもそも美術室っていうのはあまり人通りのない芸術棟(中高生の芸術の授業は同じ別棟で受けるのだ)の廊下の一番奥にあって、授業じゃなきゃ行く人なんてめったにいない。久谷は高等部で担任をもってるわけでもないから高校棟で会うこともない。てか、中高とおして久谷が担任やったなんて聞いたことないけど。
でもね、あたりまえだけど、美術の授業は毎週やってくる。
美術の授業の朝。
あたしの心臓はもう壊れてしまうかっていうくらいばくばくしてた。
「なづ、顔色わるいよ?」
その日何人目かのつっこみに笑顔でこたえながら、美術室で久谷の登場を待ってた。
ガラッ・・・
久谷だ。
一瞬目があう。誰もきづかないくらいだったけど、うすく笑った・・・ように見えた。
そのあと、簡単な説明と連絡を聞いていつもどおり課題製作にそれぞれとりかかる。久谷は怒らないから、みんな近くの子とおしゃべりしながらの騒がしい作業だ。久谷は黙って巡回しながら、たまにここはこの色のほうが、とか、この構図は、なんてアドバイスをする。
「旭、ここはもっと明るい方がいい」
あたしへのアドバイス。
「・・・はい」
ねぇ・・・どうしてドキドキするんだろう。
あんなにひどいこと言われたのに。
どうして久谷はそんなに余裕なの?
どうしてあたしはこんなに切ないんだろう。
去り際、久谷の指先が作品の上のあたしの指をかすめていく。
意志をもった動きだってことは、あたしにもわかった。
「欲求不満な顔」
アヤがあたしに言った言葉だ。
鋭い。もし本当に顔にココロが書いてあるなら。
あたしの顔には
「ヨッキュウフマン」
そう書いてあるのだろう。
「クタニ ガ ホシイ」
とも。
and u -5
女の子にも,ちゃんと性欲があるってことをあたしは身をもって学ばされていた。・・・それほどにあたしは自分の体を持て余してた。
これがただの性欲なのか,恋なのかは計りかねていたけど。
ただの性欲かといえば,やっぱり『久谷と』繋がりたいと強く思う。
じゃぁ恋なのかといえば,あたしの知っているそれとは違う。
とにかく久谷とエッチがしたい・・・。
そんなあたしには久谷が週に1度の授業であたしに与える微妙な刺激は,十分すぎた。指先がかすめればその指で愛撫された感触を思い出したし,名前を呼ばれればあの美術準備室の光景がフラッシュバックした。
あたしの『理性の糸』がプチッと音を立てて切れたのはそれからひと月たったころ。
その日はたまたま帰るのが遅くなって,アヤとミーヤと3人で足早に正門に向かっていた。何気なく正門脇の芸術棟に目をやると,2階の一番奥の部屋に明かりが灯っているのが目に入った。・・・美術室だ。
「なづ?どうした?」
はたと足をとめたあたしにミーヤが問いかける。
「あっ・・・ご,ごめん,先に帰ってて。ちょっと忘れ物あった。」
「えー?いいよ,一緒に戻ろうよぉ~」
ミーヤの言葉にアヤもうんうんとうなずく。
「悪いから,・・・うん,ほら,教室じゃなくて,部室なんだ。遠いし。・・・ね!」
あたしは不自然じゃないだろうか?
ちゃんと笑えてる?
「部室じゃぁなおさら・・・もう薄暗いしさぁ。ねぇ,アヤ?」
アヤはしばらく,「うーん」って考えてみせて,
「わかった,まぁじゃぁ先に帰ってるね。あたし用事あるんだったわ。なづ,気をつけて帰るんだよ?じゃーねー。・・・ミーヤ!」
「えー・・・アヤ,薄情・・・」
「いいのいいの,気にしないで!ホントごめん。また明日ね!」
ミーヤが動き出すよりも早く,あたしは反対方向にダッシュした。
・・・芸術棟の入り口はこっちじゃないけど,とりあえず怪しまれない場所まで。
・・・久谷が帰ってしまわないか,これから自分が何をしようとしているのか。
全速力で走ったための動悸なんてかき消されるくらい,あたしの胸は高鳴っていた。
久谷はまだ美術室にいた。
ドアに手をかけた瞬間,一瞬だけ,どうすればいいのか迷いが頭をよぎったけど,勢いあまった体を制止するだけの理性はもはや消滅していた。
ガラッ・・・
キャンバスに向かっていた久谷は静かに振り向いて,くすりと笑い
「やっと,来た」
そう言った。
「・・・教えてほしいことがあるんです」
「何?」
「あたし,あの日から・・・先生のことが,先生のしたことが忘れられない・・・。でも,奴隷なんてありえないって思うのに・・・・。好きとか,そんな甘い気持ちでもなくて・・・えっとっ・・」
「俺とセックスがしたい?」
言葉でごまかそうとしても,ごまかしながら伝えようとしても,恥ずかしいって気持ちも,そんなのはすべて見透かされているの?
あまりにストレートな表現に,あたしは,それはまさにあたしの言いたかったことのはずなのに,思わず久谷から目をそらしてしまった。
「体はあんなに素直だったのに,今日はこんな簡単な質問にも答えないの?・・・俺の返事はかわらないよ,旭がしたいならする,したくないならしない。君にとってこれ以上の返事がある?君のしたいようになるんだ。」
「奴隷って・・・言ったじゃん・・・」
「じゃあ,表現を変えようか。きっと否が応でも旭は奴隷になるよ,俺とセックスしたら。いや・・・もう,手遅れかもな」
スッとめがねをはずし,散らかった作業台の上においた。
その目・・・顔・・・,反則だ。全部計算づくなの?
久谷の言葉は,そのまま聞けばすごく自信家だし,ナルシストだし,傲慢だ。でもこの状況で,あたしには甘い甘いささやきに聞こえていた。
「どうするかは,旭が決めるんだ」
「先生と・・・・したい・・・・・・」
これがただの性欲なのか,恋なのかは計りかねていたけど。
ただの性欲かといえば,やっぱり『久谷と』繋がりたいと強く思う。
じゃぁ恋なのかといえば,あたしの知っているそれとは違う。
とにかく久谷とエッチがしたい・・・。
そんなあたしには久谷が週に1度の授業であたしに与える微妙な刺激は,十分すぎた。指先がかすめればその指で愛撫された感触を思い出したし,名前を呼ばれればあの美術準備室の光景がフラッシュバックした。
あたしの『理性の糸』がプチッと音を立てて切れたのはそれからひと月たったころ。
その日はたまたま帰るのが遅くなって,アヤとミーヤと3人で足早に正門に向かっていた。何気なく正門脇の芸術棟に目をやると,2階の一番奥の部屋に明かりが灯っているのが目に入った。・・・美術室だ。
「なづ?どうした?」
はたと足をとめたあたしにミーヤが問いかける。
「あっ・・・ご,ごめん,先に帰ってて。ちょっと忘れ物あった。」
「えー?いいよ,一緒に戻ろうよぉ~」
ミーヤの言葉にアヤもうんうんとうなずく。
「悪いから,・・・うん,ほら,教室じゃなくて,部室なんだ。遠いし。・・・ね!」
あたしは不自然じゃないだろうか?
ちゃんと笑えてる?
「部室じゃぁなおさら・・・もう薄暗いしさぁ。ねぇ,アヤ?」
アヤはしばらく,「うーん」って考えてみせて,
「わかった,まぁじゃぁ先に帰ってるね。あたし用事あるんだったわ。なづ,気をつけて帰るんだよ?じゃーねー。・・・ミーヤ!」
「えー・・・アヤ,薄情・・・」
「いいのいいの,気にしないで!ホントごめん。また明日ね!」
ミーヤが動き出すよりも早く,あたしは反対方向にダッシュした。
・・・芸術棟の入り口はこっちじゃないけど,とりあえず怪しまれない場所まで。
・・・久谷が帰ってしまわないか,これから自分が何をしようとしているのか。
全速力で走ったための動悸なんてかき消されるくらい,あたしの胸は高鳴っていた。
久谷はまだ美術室にいた。
ドアに手をかけた瞬間,一瞬だけ,どうすればいいのか迷いが頭をよぎったけど,勢いあまった体を制止するだけの理性はもはや消滅していた。
ガラッ・・・
キャンバスに向かっていた久谷は静かに振り向いて,くすりと笑い
「やっと,来た」
そう言った。
「・・・教えてほしいことがあるんです」
「何?」
「あたし,あの日から・・・先生のことが,先生のしたことが忘れられない・・・。でも,奴隷なんてありえないって思うのに・・・・。好きとか,そんな甘い気持ちでもなくて・・・えっとっ・・」
「俺とセックスがしたい?」
言葉でごまかそうとしても,ごまかしながら伝えようとしても,恥ずかしいって気持ちも,そんなのはすべて見透かされているの?
あまりにストレートな表現に,あたしは,それはまさにあたしの言いたかったことのはずなのに,思わず久谷から目をそらしてしまった。
「体はあんなに素直だったのに,今日はこんな簡単な質問にも答えないの?・・・俺の返事はかわらないよ,旭がしたいならする,したくないならしない。君にとってこれ以上の返事がある?君のしたいようになるんだ。」
「奴隷って・・・言ったじゃん・・・」
「じゃあ,表現を変えようか。きっと否が応でも旭は奴隷になるよ,俺とセックスしたら。いや・・・もう,手遅れかもな」
スッとめがねをはずし,散らかった作業台の上においた。
その目・・・顔・・・,反則だ。全部計算づくなの?
久谷の言葉は,そのまま聞けばすごく自信家だし,ナルシストだし,傲慢だ。でもこの状況で,あたしには甘い甘いささやきに聞こえていた。
「どうするかは,旭が決めるんだ」
「先生と・・・・したい・・・・・・」
罪の天使-1
最悪な日曜日だった。
おれ、朝霧 圭は彼女の紗枝と買い物に来ていた。目的は紗枝の誕生日プレゼントだ。来週にせまった紗枝の誕生日に、紗枝のお気に入りのブランドのピアスを買ってやるって約束をしてたんだけど、なかなか動かない俺にしびれをきらせて、せがまれて引っ張り出された。
紗枝は美人だ。
前の彼女だって、その前だって、美人だった。
それは俺も、男友達も認めるところだ。
そして彼女たちも俺のことを女友達に自慢していたことも知ってる。
両親は開業医、俺は名門・藤和学園に幼稚園から通い、今は藤和大の医学部生だ。女ウケのいい容姿といい、たしかに恵まれている。
だけど、神様ってやつはやっぱり平等なんだ。
誰も知らない、大きな大きな代償を俺は背負っている。
3歳だったあの日から。
話は日曜にもどる。
紗枝に連れて行かれたジュエリーショップは、今、流行のショップで若い男女であふれていた。紗枝は熱心に自分のピアスを選んで、しきりに「どっちがいい?」なんて聞いてきたけど、俺は俺でケースの中のひとつのネックレスに目を奪われてた。
ピンクゴールドのオープンハートにやはりピンクがかった小ぶりのストーンを配置した、かわいくもシンプルなペンダントトップ。
・・・あいつに似合いそうだ。
「圭ー?なに、そっちのほうがいい??ネックレスにしよっかー。」
「いや、・・・ミヤコに似合いそうだと思ってさ。」
「あぁ、そんなことより・・・」
「あっ、すみません、このネックレスいただけます?」
「はぁ?!」
紗枝の大声に店員は一瞬驚いたようだったけど
「こちらでよろしいでしょうか?お合わせになりますか?」
紗枝に向かって微笑む。
「結構です!あたしのじゃありませんからっ!!」
周りにいた店員も客も一瞬あっけにとられる。
そのまま紗枝は店を出てしまって、あわてて追いかけたけど、紗枝は一言おれをなじって走り去っていった。
「ミヤコミヤコって・・・・おかしいんじゃないの?!シスコンッ!!さようならっ!!」
振られた感想?
・・・あぁ、またそれかよ。
俺のシスコンは年季入りだ。
3つ下の妹の美弥子は、やっぱり幼稚園からずっと藤和学園で、藤和の女子高の2年だ。中学のころからミス藤和の呼び声高い、かわいいかわいい妹。
・・・だけどそれだけだ。
なんでそれを彼女の紗枝からいろいろ言われるんだ?
紗枝だけじゃない。いつもそうだ。
妹と仲いいことがそんなに悪いか?
そのあと、俺がどうしたかといえば、店に引き返して、そのネックレスを買って帰った。
・・・シスコンなのは否定しないさ。
振られたショックなんてみじんもなくて、家につくころには紗枝のことなんてすっかり忘れてた。美弥子の喜ぶ顔が早く見たくて・・・
おれ、朝霧 圭は彼女の紗枝と買い物に来ていた。目的は紗枝の誕生日プレゼントだ。来週にせまった紗枝の誕生日に、紗枝のお気に入りのブランドのピアスを買ってやるって約束をしてたんだけど、なかなか動かない俺にしびれをきらせて、せがまれて引っ張り出された。
紗枝は美人だ。
前の彼女だって、その前だって、美人だった。
それは俺も、男友達も認めるところだ。
そして彼女たちも俺のことを女友達に自慢していたことも知ってる。
両親は開業医、俺は名門・藤和学園に幼稚園から通い、今は藤和大の医学部生だ。女ウケのいい容姿といい、たしかに恵まれている。
だけど、神様ってやつはやっぱり平等なんだ。
誰も知らない、大きな大きな代償を俺は背負っている。
3歳だったあの日から。
話は日曜にもどる。
紗枝に連れて行かれたジュエリーショップは、今、流行のショップで若い男女であふれていた。紗枝は熱心に自分のピアスを選んで、しきりに「どっちがいい?」なんて聞いてきたけど、俺は俺でケースの中のひとつのネックレスに目を奪われてた。
ピンクゴールドのオープンハートにやはりピンクがかった小ぶりのストーンを配置した、かわいくもシンプルなペンダントトップ。
・・・あいつに似合いそうだ。
「圭ー?なに、そっちのほうがいい??ネックレスにしよっかー。」
「いや、・・・ミヤコに似合いそうだと思ってさ。」
「あぁ、そんなことより・・・」
「あっ、すみません、このネックレスいただけます?」
「はぁ?!」
紗枝の大声に店員は一瞬驚いたようだったけど
「こちらでよろしいでしょうか?お合わせになりますか?」
紗枝に向かって微笑む。
「結構です!あたしのじゃありませんからっ!!」
周りにいた店員も客も一瞬あっけにとられる。
そのまま紗枝は店を出てしまって、あわてて追いかけたけど、紗枝は一言おれをなじって走り去っていった。
「ミヤコミヤコって・・・・おかしいんじゃないの?!シスコンッ!!さようならっ!!」
振られた感想?
・・・あぁ、またそれかよ。
俺のシスコンは年季入りだ。
3つ下の妹の美弥子は、やっぱり幼稚園からずっと藤和学園で、藤和の女子高の2年だ。中学のころからミス藤和の呼び声高い、かわいいかわいい妹。
・・・だけどそれだけだ。
なんでそれを彼女の紗枝からいろいろ言われるんだ?
紗枝だけじゃない。いつもそうだ。
妹と仲いいことがそんなに悪いか?
そのあと、俺がどうしたかといえば、店に引き返して、そのネックレスを買って帰った。
・・・シスコンなのは否定しないさ。
振られたショックなんてみじんもなくて、家につくころには紗枝のことなんてすっかり忘れてた。美弥子の喜ぶ顔が早く見たくて・・・
and u -6
一瞬,久谷がやわらかく笑ったように見えた。
「準備室で」
あたしはあわてて久谷の後を追って,準備室に行く。
「ドレイはアルジの恋愛対象にはならないし,逆もありえない。
だから恋愛と錯覚するな。
・・・ただ,快楽だけ求めればいい。」
抱き寄せ,ソファーに押し倒しながら耳元で残酷な言葉をささやく。わかってるよ,久谷とあたしが恋人になるとか,そんなこと期待しているわけじゃない。きっとこのドキドキは恋より快楽を求めてるんだ・・・
「んっ・・・んぁっ・・」
深くキスされる。舌を絡みとられ,ほぐされるように,執拗なキス。
左手がそのままあたしの制服の中へすべりこむ。
ブラの上から胸のふくらみを揉みしだきながら,少しずつ頂点をめざす。時折,頂点の突起に指をかすめ,甘い痺れがあたしを侵していた。
「ふぁぁ・・・うぅんっ!・・・せんせぇ・・・・」
もっと,そこに触ってほしい。ブラなんて取り去ってほしい。
「脱いで」
久谷が体をおこしてそう命じる。
「え?」
「自分で,脱いでみて」
「は・・・恥ずかしいよ」
「いいから。」
上から久谷がのぞきこむような,ソファーにねそべった体勢だ。セーラーを脱ぐにはひどくやりにくい。・・・でも久谷はじっとあたしを見つめて,目で脱ぐよう指示しているようだった。
「ぅん・・・」
そろそろとセーラーをめくりあげる。ブラが見えるところで一瞬ためらったけど,そのままちょっと肩をあげて頭から抜いた。
「ぬいだよ」
「それだけでいいの?」
久谷はいじわるだ・・・だけどいまさらこの甘い誘惑から逃げられるわけない。
久谷から目をそらして,背中のホックに手をまわす。
ゆるんだブラをどけると,久谷は「やっぱり素直だね」と笑って,胸の先端を舐め上げた。
「あぁっ!」
突然の刺激に背中が浮いた。それでもかまわず胸の突起をしゃぶられる。唇でついばみ,先端を舌でころがし,おしつぶす。
「やぁっ・・・はぁん,あぁぁ!」
反対の胸も指でこねるような愛撫を受けていた。胸をこんなに攻められるのは初めてで,しかも久谷は上手で,ものすごく,感じていた。
「うぅん,あっ,あぁぁぁっっ・・・」
「胸だけでこんなに感じるんだ」
「やっ,ちがっ・・・あぁん!あっ」
「違う?ココはこんなに固いのに?」
コリッと突起を柔がみされる。
「うぅっ・・・」
「スカートの中,気持ち悪いんじゃない?」
「なっ・・・そんなことっ!・・・あぁぁ・・・」
「へぇ?」
胸を触っていた手が内腿に動く。それだけで期待でこわれちゃいそうだ。
実際,否定はしたけど,スカートの中は自分でもわかるくらい,じっとりと濡れていた。
「あっ・・・」
あたしのショーツにをの一番濡れているであろうところを久谷がおさえた。
「準備室で」
あたしはあわてて久谷の後を追って,準備室に行く。
「ドレイはアルジの恋愛対象にはならないし,逆もありえない。
だから恋愛と錯覚するな。
・・・ただ,快楽だけ求めればいい。」
抱き寄せ,ソファーに押し倒しながら耳元で残酷な言葉をささやく。わかってるよ,久谷とあたしが恋人になるとか,そんなこと期待しているわけじゃない。きっとこのドキドキは恋より快楽を求めてるんだ・・・
「んっ・・・んぁっ・・」
深くキスされる。舌を絡みとられ,ほぐされるように,執拗なキス。
左手がそのままあたしの制服の中へすべりこむ。
ブラの上から胸のふくらみを揉みしだきながら,少しずつ頂点をめざす。時折,頂点の突起に指をかすめ,甘い痺れがあたしを侵していた。
「ふぁぁ・・・うぅんっ!・・・せんせぇ・・・・」
もっと,そこに触ってほしい。ブラなんて取り去ってほしい。
「脱いで」
久谷が体をおこしてそう命じる。
「え?」
「自分で,脱いでみて」
「は・・・恥ずかしいよ」
「いいから。」
上から久谷がのぞきこむような,ソファーにねそべった体勢だ。セーラーを脱ぐにはひどくやりにくい。・・・でも久谷はじっとあたしを見つめて,目で脱ぐよう指示しているようだった。
「ぅん・・・」
そろそろとセーラーをめくりあげる。ブラが見えるところで一瞬ためらったけど,そのままちょっと肩をあげて頭から抜いた。
「ぬいだよ」
「それだけでいいの?」
久谷はいじわるだ・・・だけどいまさらこの甘い誘惑から逃げられるわけない。
久谷から目をそらして,背中のホックに手をまわす。
ゆるんだブラをどけると,久谷は「やっぱり素直だね」と笑って,胸の先端を舐め上げた。
「あぁっ!」
突然の刺激に背中が浮いた。それでもかまわず胸の突起をしゃぶられる。唇でついばみ,先端を舌でころがし,おしつぶす。
「やぁっ・・・はぁん,あぁぁ!」
反対の胸も指でこねるような愛撫を受けていた。胸をこんなに攻められるのは初めてで,しかも久谷は上手で,ものすごく,感じていた。
「うぅん,あっ,あぁぁぁっっ・・・」
「胸だけでこんなに感じるんだ」
「やっ,ちがっ・・・あぁん!あっ」
「違う?ココはこんなに固いのに?」
コリッと突起を柔がみされる。
「うぅっ・・・」
「スカートの中,気持ち悪いんじゃない?」
「なっ・・・そんなことっ!・・・あぁぁ・・・」
「へぇ?」
胸を触っていた手が内腿に動く。それだけで期待でこわれちゃいそうだ。
実際,否定はしたけど,スカートの中は自分でもわかるくらい,じっとりと濡れていた。
「あっ・・・」
あたしのショーツにをの一番濡れているであろうところを久谷がおさえた。
はるおとです
ごぶさたしています(><)
論文の執筆が佳境にはいり、ちょっとバタバタしていてなかなか更新できず申し訳ありません・・・。
今週末には更新できる見込みです!!呆れずおつきあいいただけたらうれしいです・・・(T○T;)
web拍手や投票のクリック&コメント、ありがとうございます!!!
あたしもこうやって皆様に小説よんでいただくのは初めてなので、大変励みになっています。
時間ができたらWEB拍手のお礼ページも作りたいと思っています・・・ネタがないんですけどね(苦笑)
なにかリクエストあればぜひぜひ!
論文の執筆が佳境にはいり、ちょっとバタバタしていてなかなか更新できず申し訳ありません・・・。
今週末には更新できる見込みです!!呆れずおつきあいいただけたらうれしいです・・・(T○T;)
web拍手や投票のクリック&コメント、ありがとうございます!!!
あたしもこうやって皆様に小説よんでいただくのは初めてなので、大変励みになっています。
時間ができたらWEB拍手のお礼ページも作りたいと思っています・・・ネタがないんですけどね(苦笑)
なにかリクエストあればぜひぜひ!